電子書籍『続・ゆかいな仏教』
橋爪大三郎/大澤真幸[著]

仏教で日本を力づける!

『ふしぎなキリスト教』『げんきな日本論』(講談社現代新書)著者が仏教やキリスト教、西欧哲学の原典からそのロジックを取り出し、日本人の無意識に定着した仏教の輝きを、再び取り戻す。
日本社会を蘇らせるための刺激的な魅力に満ちた対談!

仏教は日本人の精神の基層を形成する重要な要素である。
それが日本人の無意識にまで定着したがために、仏教がいかに現代社会においても有用であるかが見えにくくなっている。
紀元前五世紀頃に誕生した人類の宝ともいえる仏教が中国を経て伝来し、現代社会や日本人に残した痕跡をたどることで、今を生きる私たちにとっての仏教の意味を問い直し、これからの日本人を励まし、自ら耐えがたき困難な時代を生き抜き、強靱で豊かな日本へと変えていくための道を探る。

目次

まえがき 橋爪 大三郎

第1章 ブッダはキリストと何が違うのか?

◆キリストとブッダは似ている?
『聖☆おにいさん』の二人
キリストとブッダの違い
ベクトルの違い
◆預言者と神の子
ブドウ畑の比喩
ニケーア信条
キリストという現象
ブッダ抜きの仏教はありうるか
◆大菩薩の救済
大菩薩と自己努力
予定説と自力救済
極楽浄土の意味
◆個人主義の持つ困難への対処
隣人愛は「命令された愛」
浄土的逸脱
とりなしと聖霊
阿弥陀如来はなぜ完全に救わないか
仏性という考え方
◆キリストという装置、ブッダという装置
耐え難いマイナスを緩和する装置
宗教の存在理由
一神教の核心
“五十六億年後”のブッダ
最もコミットしがたいものの存在感

第2章 日本仏教はインド仏教と何が違うのか?

◆仏教の主要概念――業(カルマ)
業の特徴①――因果論
業の特徴②――自由意志
業の特徴③――個人主義
因果論と自由意志は両立するのか
托鉢の持つ意味
◆カースト社会へのアンチテーゼ
因果論から断絶するには
バラモン教と仏教の違い
◆ローカル社会を超えて
日本人と業
発祥地から消え、グローバルに生き残った仏教
仏教が世俗追随主義にならなかったわけ
仏教の主知主義
仏教の絶対的な平等性
◆日本での仏教受容の姿
相互承認を重んずるシステム
仏教における自己と自我の拡大
カーストから生まれた仏教
日本仏教を理解する鍵
◆キリスト教と仏教
好対照をなすキリストとブッダ
真理と言葉の関係
仏教は「信じるもの」なのか?
神仏習合を認めた日本仏教
仏教と日本社会の新しい関係

あとがき 大澤 真幸
読書案内

【著者プロフィール】

橋爪大三郎

はしづめ・だいさぶろう

1948年、神奈川県生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。大学院大学至善館教授。東京工業大学名誉教授。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『権力』(岩波書店)、『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸氏との共著、講談社現代新書、新書大賞2012)、『おどろきのウクライナ』(大澤真幸氏との共著、集英社新書)、『げんきな日本論』(大澤真幸氏との共著、講談社現代新書)など多数。

大澤真幸

おおさわ・まさち

1958年、長野県生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。個人思想誌『大澤真幸THINKING「O」』(左右社)主宰。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)、『続・ゆかいな仏教』(橋爪大三郎氏との共著、サンガ新社)など多数。

関連情報

該当の投稿はありません。

Mail Magazine

サンガ新社の最新情報を配信しています。
購読は無料です。お気軽にご登録ください。

Follow Us

各種SNSでも情報発信中!
クリックすると別ウインドウが開きます。