電子書籍『欲ばらないこと:役立つ初期仏教法話13』
アルボムッレ・スマナサーラ[著]

内容

『怒らないこと』『怒らないこと2』『バカの理由(わけ)』につづく「三毒シリーズ」完結編!!

「欲」と「怒り」はコインの表裏

「欲」を克服すれば、「怒り」も消える。
これが煩悩をなくすための特効薬!

「生きるために欲は欠かせない」
「欲がなくなると生きる意欲もなくなってしまう」
みなさんの中には、そう考えている方もいるようです。
しかし、お釈迦様は「欲があるのは感情が高まった愚かな状態」とおっしゃいます。
感情とは心の汚れ。幸福になるためには、理性を育てなければなりません。
仏教では、「三大煩悩=貪瞋痴(欲・怒り・無智)」の最初に「欲」を挙げています。
そして、「欲」と「怒り」はコインの表裏。表が「欲」で、「怒り」よりも先にあります。
ですから、欲が克服できれば、大幅に煩悩をなくすことができるのです。
本書では、お釈迦様による欲の分析と克服法を、わかりやすくご紹介します。

なぜ「欲」はよくないのか アルボムッレ・スマナサーラ
(「はじめに」より抜粋)

 この本のテーマは「欲ばらないこと」です。「欲」とは、仏教の三大煩悩である貪瞋痴の「貪(とん)」ですから、「貪(むさぼ)らないこと」がこの本の主題です。お釈迦様の教えに沿って、「欲はよくありませんよ」ということについてお話しします。
 私にはすでに、「瞋(しん)・怒り」について書いた『怒らないこと』という本と、「痴・無智」について書いた『バカの理由(わけ)』という本があります。ですから、今回の『欲ばらないこと』で、「三大煩悩=貪瞋痴」の解説書がすべてそろうことになります。
 三大煩悩すべてに共通していることですが、まずはその煩悩をしっかりと理解することが大切です。よく知ることで、正しい生き方が可能になります。
 この本では、「欲とは何か」「なぜ欲が出てくるのか」というように、「欲・貪り」についての理論を一つずつご説明します。

目次

第1章 欲のみなもと――命と心
1 命の定義
2 肉体の変化
3 生きるとは
4 心のかかわり
5 終わらない欲
6 心の変化
7 心の変化と欲

第2章 欲の分析
1 欲は生命の本能
2 欲を生じさせるもの
3 なぜ、愛着、欲が起こる?
4 欲の親分は「生存欲」
5 たちの悪い欲三つ

第3章 欲はなぜ悪い――心の汚染図
1 欲がないほうが良い
2 欲という矛盾
3 渇きに塩水
4 奪い合い
5 心は汚染される

第4章 解決策――欲と必要を切り分ける
1 必要なものはなんですか
2 欲しいものはなんですか
3 私のもの
4 欲は妄想的
5 少欲知足
6 強欲とケチ

第5章 性欲―解脱を阻むもの
1 性欲とは何か
2 性行為は出家には禁止

第6章 欲のコントロール
1 制限された能力・資源、制限のない欲
2 身体へのこだわりと心への無関心
3 正しい欲のコントロール法

第7章 執着を捨てる
1 「与えること」の真実
2 与えることと奪うこと
3 与えると損するか
4 「施し」は基本道徳
5 理性で生きる

著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ(Alubomulle Sumanasara)
テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践』』『無常の見方』『苦の見方』『無我の見方』『ブッダの実践心理学(アビダンマ講義シリーズ 全8巻)』(藤本晃氏との共著)(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国Wisdom Publications)など多数。

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