電子書籍『浄心への道順』
アルボムッレ・スマナサーラ[著] 名越康文[著]

内容

「生きる」という仕組みを知る実践

瞑想はどのように心を成長させるのか?
自我の錯覚はどのように消えていくのか?
よりよく生きるために私たちがするべきことは何か?

精神科医・名越康文氏が瞑想の実践者として初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老との対話に臨み、お釈迦様の精神革命と、現代社会をおもしろく生きるための術を語り合う!

名越 康文
私が理解する仏教は、教義の前にまず「行」が基本です。「行」というのは、瞑想や加行・加持などの実践です。そして教義の理解などの「学」が、「行」を支える偉大な補助輪としてあります。「行」を続けていく中で、何か迷いや壁を感じたら、「学」で確認してまた先に進むのです。この「行」と「学」の両輪が仏教。このことを、私が死ぬまでには日本の常識にしたいと願って、日頃からいろいろな活動をしています。(「はじめに」より)

アルボムッレ・スマナサーラ
最も重要な学びとは何でしょうか? それは、生きることを前提として学ぶのではなく、「生きるとはどういう仕組みなのか」と学ぶことです。その学びは、すべての学びよりも優れているのです。この学びをする人々は、終わりのない生きる闘いから解放されます。悩み、不満、苦しみ、競争、勝ち負け、成功・失敗などの樹海にさまよって、ゴールの見つからない生き方が解消します。(「おわりに」より)

目次

■対話1 瞑想とディシプリン――瞑想の本質を重要ワードから理解する

「瞑想」という言葉の問題
「発展するな」という土壌
「結果を出す」ことが大事
物質と精神を見極める
果たし状のアプローチで
変化を進化に、精神革命を!
ネット世界とエネルギーの伝播
学者がなぜ伝統を守るのか
身を守っていたら改革できない
戒と智慧
セルフはゴースト
厄介な自我(ゴースト)
ゴーストがなければ超人になれる
瞑想の世界に入る意義
日本語に訳せないディシプリン
プリセプツとディシプリン
瞑想でディシプリンが育つ
仏教が教える、生きる土台

■対話2 覚りに迫る認識論――ヴィパッサナー瞑想の本質から、瞑想で至れる認識のあり方まで

「歩く瞑想」「坐る瞑想」と言うけれど
瞑想は、本質的に何をしているのか
姿勢を問わず、瞬間的に覚れる
覚りやすい条件が整った出家の暮らし
歩く瞑想の本質とは
観察力は偉大な治癒力
空腹感は妄想
瞑想が効果的なタイミングとは
“不完全”と知れば、気楽に生きられる
智慧はどこからくるのか
西洋の思考法と合わない因果法則
宇宙の真理の発見法は?
認識とは何か、覚りとは何か

■対話3 覚りの世界――禅定と解脱の違い、そして現代人にとっての覚りの意義を、本質的に理解する

世間で誤解される覚りイメージ
さとり世代の本質と問題点
いつでもおもしろく生きよう
役に立つ生き方とは何か
この世で一番かつ唯一の利益
「役に立つ」必要は自然法則
慈しみ・親しみの重要性
物と心の関係は
無限を感じる境地
解脱の世界
出家者の四つの心得
現代人の覚り
先入観は覚りの妨げ
強烈な経験も調べてスルーする
現実社会での自分を忘れない
自分の「覚り」にがんばるべき
自分の修行と人を導くこと

著者略歴

アルボムッレ・スマナサーラ

スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとったのち、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程で道元の思想を研究。現在、(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説きつづけている。朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、NHKテレビ「こころの時代」などにも出演

名越 康文

精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。1960年、奈良県生まれ。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオのコメンテーター、映画評論、漫画分析などさまざまな分野で活躍している

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