電子書籍『一期一会:書で読む松原泰道百歳の心』
松原泰道[文]/幕田魁心[書]
定価:2,310円(税込)
内容
重い荷物をたくさん抱えながら、それでも懸命に生きているあなたへ、明治・大正・昭和・平成の4つの時代を見てきた人生の大先輩が届ける、書家とのコラボレーションによる言葉の贈り物。人生に迷った時、そっとこの本をひらいてください。
禅僧・松原泰道師の言葉を、書家・幕田魁心氏が書で表現しました。それぞれの言葉が持つ、「優しさ」「温かさ」「力強さ」「安堵感」「包容力」「説得力」を書風で表し、深く見応えのある数々の作品が誕生しました。
目次
Ⅰ 一日一生
五十歳からは発見と創造の人生がスタートする
人生も赤信号ばかりではない
その存在で他を生かし その他の力で自分も生かされる
今は今しかない 今は帰って来ない
人生は気がついたら いつでもやり直しができる
惑いは後半生の人生のエネルギーとなり 未来の人生を豊沃にする堆肥となる
今日そのものが一生なのです
稽古照今
死はあの世ではありません この世にあるのです
人生というものは これでお仕舞いということはない
どんな小さな仕事でも 真心をこめてやっておくと 後になって必ず芽を吹いてきます
残心
人間生まれながら皆 仏になる可能性を持っている
成人と成仏 この二つが具備して人間は完成するのです。
すべての幸せも人間から来る
世界中の人がことごとくほめるような人間などいない
もうひとりの自分を引き出す
今日ただいまのめぐりあわせを大事にしていきましょう
人はなぜ尊いのか ひとすじの気持ちで生きているからだ
Ⅱ 般若の智慧
般若の智慧は自分の心中に発生するトラブルを解くはたらきをもつ
成仏とは人間性を完成してほんとうの人間になること
無駄の荒野を耕して種をまき その育成をはかりましょう
苦がよくわかるなら 苦がそのまま楽になる
忍耐のなかから価値を見出す
諸法実相
目で聞く 耳で見る
仏さまの慈悲の目のなかで いまここに自分が存在している
一切空
好ましくない縁も 望ましい縁に改良できる
怨念は昇華されることにより 慈悲を含む智慧を生む
人が生きるということは 縁をつなげ 縁を深め 縁を広めていくことです
本来無一物
生死は一体
一隅を照らす
目に見える事実が 目に見えない真理を見せている
露堂々 明歴々
勿体無い
仁
坐
Ⅲ 人生の宿題
老いの最高の学びは どのように自分を丹精するかにあります
無理をしない 無駄をしない 不精をしない
死ぬとは 次の走者にバトンを手渡すことです
どっちでも いいじゃないか
いい死に方とは いい生き方の終わりのことです。
人間の死 すべてが大往生なのです
疑問をあなたの体温で温めなさい
心配ない みんなうまく死んでいっている
辞書に訊く
宿題のあるのは楽しいことです
ありがとう すみません はい
素直に年を取る 素直の病気する 素直に死んでいく
生きがいというものは 順境ではなく むしろ逆境のおいて得られる
当たり前のことを もう一度見直してみよう
お陰を順送りに移していく
人生には定年はないのです
そのときの自分の持てるものを そのときなりに輝かせていけばいい
生まれたから 死ぬのだ
長命とか短命とかは 時間の長さではなく 生き方の深さだと思います
家に帰るつもりで 土に帰ればいいのです
【対談】言葉の力、言葉の役割 松原泰道/幕田魁心
著者プロフィール
松原泰道(まつばら たいどう)
明治40(1907)年、東京生まれ。
昭和6(1931)年、早稲田大学文学部卒。
岐阜・瑞龍寺専門道場で修行。
昭和26(1951)年、臨済宗妙心寺派教学部長。
昭和52(1977)年まで龍源寺住職。
全国青少年教化協議会理事、「南無の会」会長等を歴任。
各種文化センター講師を務める等、講演・著作に幅広く活躍。
平成元(1989)年、第23回仏教伝道文化賞受賞。
平成11(1999)年には禅文化賞を受賞。
『般若心経入門』『わたしの歎異抄入門』(祥伝社)、
『五十歳からの人生塾』『九十九歳。今日をもっと工夫して生きる』(海竜社)、
『輝いて生きる知恵』(致知出版社)等、著書多数。
平成20(2008)年11月23日で満101歳を迎えた。
平成21(2009)年7月29日遷化。
幕田魁心(まくた かいしん)
昭和22(1947)年、福岡県北九州市生まれ。
昭和46(1971)年、大東文化大学中国文学科卒。
千葉県立高等学校教諭として30年間勤める。
平成13(2001)年から13年間、千葉大学にて書道を指導。
現在、魁心書法院主幹。
パリ、北京、ニューヨーク、東京鳩居堂、中尊寺、起雲閣、鋸山美術館等で、
令和5(2023)年までに32回個展を開く。
ニューヨーク総領事館、マドレーヌ寺院、韓国芸術殿堂等、作品収蔵先多数。
フランスにて社会功労奨励勲章 勲2等(グランド・オフィシエ)受賞。
『極める!楷書』他「極める!」シリーズ全6巻、『創作への道―楷書編』他シリーズ全6巻、
『書で愉しむ論語』、『5体(篆・隷・楷・行・草書体)で書く 一字書』、
『書になった童謡たち』『桜花爛漫』(以上、木耳社)等、著書多数。
千葉県君津市在住。
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